2014/05/27

“♪ア ホレ スイスイ スーダララッタ スラスラ スイスイスイ♫”


 先日のDJイベント「BAGSY」にての出来事。

 場所は、東京354CLUB。

 先月も、とある某世界的有名EDMアーティストご一行が遊びに来ていて。神輿を担ぐし、はっぴも着るし、で。

 This Is NIPPON!!を楽しんでくれまして。

 今回も、オープニングから外国人客3人がカウンターでいらしてましてね。

 なんとなく、しんみりと、おとなしく、僕らのDJを聴ききながらなのか、聴いていないかどうかわからないような感じで、ビールを飲み干していたのですが、僕の1回目のDJの終わり頃からバーカウンター辺りで、その外国人客3人が急に火がついたかのように踊り始めて、盛り上がっちゃって。

 結局、明け方まで汗まみれで、僕らと終始盛り上がってくれちゃってくれまして。とても嬉しかったのでありましたのですが。何故に、何きっかけで彼等は盛り上がっちゃったのか解らなくて。

 彼等に直接聞こうと思い、片言の英語で話しかけたら、彼等はドイツ人だと。こりゃたまらん、と。英語すらまともに喋られないのに、ドイツ語なんて無理無理!っつーことで。お店のドリンクカウンターで働いていた女性スタッフに、彼等の事の始まりを尋ねたら、僕のDJでかけた、SEBASTIAN Xの『スーダラ節』を聴いて。それから火がついて、WAO!となったということだと。

 彼等が、スタッフに、「この曲はなんていう曲だ?」って尋ねたらしく。でも、そのスタッフは、原曲は知っているけど、SEBSTIAN Xのカバーということまでは知らずで。ていうか、『スーダラ節』の説明をするにも、上手く説明できなかったって言っていて。「この曲は、ハナ肇とクレージー・キャッツ。植木等の曲で…」なんて説明するには難しすぎるって話。

 「まるでスカのようでかっこいい!」と言っていたと。

 なるほど。スカですか。『スーダラ節』が、スカに聴こえたんだ。っていう。意外ですわ。ドイツの人にね。まあ、カバーバージョンのビート構成が、まあ、ざっくり言うと、スカと言えば、スカ、かなって。

 いや。原曲のままを聴かせたら、こんなにも彼等は盛り上がらなかった、彼等の琴線に引っかからなかったと思う。SEBASTIAN Xのカバーバージョンの絶妙さが成し得た結果だよなって。思いました。性急なビートの上に流れる、へろっとしたメロディの絡み。

素晴らしい。







それと、やっぱり、サビの部分のインパクトが凄かったのかなって。思いましてね。

 “♪ア ホレ スイスイ スーダララッタ スラスラ スイスイスイ♫”

 だもんね。日本語だけど、じゃないような。

 さらに、原曲を聴くと、日本の土着的音楽の盆踊りに近いんですよね。

 そうなると、なおさら、意外ですよね。

 でもでも。日本の流行歌。スタンダードナンバーを耳にして直感的にドイツ人が盛り上がるという図式。最高っすよね。嬉しい出来事でした。

 音楽は国境を越える、っていうけど。ほんとうそうだね。

 “♪わかっちゃいるけどやめられない♫”

 そんな歌詞の意味を知らずに、盛り上がるって素敵だよ。

 坂本九の『SUKIYAKI』のように。

 THE BOOMの『SHIMAUTA』のように。

 もしかしたら、『SUHDARA-BUSHI』なんて名前で、この2014年をきっかけに、世界中に『スーダラ節』が鳴り響くことになるかもしれないって。勝手な妄想を、ブラジルW杯が近くなっている今日この頃。膨らんでしまったのでありました。