2012/08/07

『ROCK IN JAPAN FES.2012』を終えて。



 個人的には、8/3(金)だけの出演だったけど。
 昨日で3日間が終わったということで。
 改めて今日、終えて、の、ブログを書きます。

 8/3。金曜日。DJ BOOTHに来てくれた人、来れなかった人、全ての人に感謝です。
 あの場に鳴り響いた全ての音楽に感謝です。
 ロッキングオンのみなさま。毎年のように出演をオファーして頂き、感謝です。
 BOOTHの設営、運営などなどに携わって力になって頂いたスタッフの皆様、感謝です。


 今年ほど、音楽の在り方というものをひしひしと感じるフェスはありませんでした。


 時代の流れと共に生まれ出た様々なアーティストが、様々な名曲を産み出し、それがオーディエンスに響き渡り、その響き渡るあらゆる音楽をDJが自らの個性を発揮して、鳴らし、それを共有して、その場が素晴らしい空間になるというのが、DJ BOOTHです。年を追うごとにその規模は大きくなり、認知度も広まって今に至っています。そんな歴史の中で、ロックDJというものも色んな形で認知されるようになり、ジャパンフェスの中でのDJ BOOTHの立ち位置も変化していくことになりました。決して固定しない、毎年のように変化を遂げるのがDJ BOOTHで。それを創り上げることが使命でもあったりするのですが。それを操ってやろうというのはDJのエゴであり。どうあれこうあれ、主役はオーディエンスのみなさんなのです。その主役のみなさんに、主役の主役である音楽を如何に届けるか?如何に祝祭空間を産み出すのか?というのが僕の使命であると思っています。

 そうは言いつつも、千差万別。ひとりひとりが感じる音楽というものは違うもので。固定されたアーティストのライブを観に来る場所ではないわけでありまして。それでも、そこにいるみんなを、一人でも多く、みんなを、楽しませることを考えて挑んでDJをやっているのでありまして。100人いれば100人全員満足はさせられないかも知れないけれど、それでも、そこに挑んで行くことが使命であると思って毎年あの場でDJをやり続けていました。

 しかし、今年は、正直、みんなが、オーディエンスがどのように音楽を捉えて、どのように音楽を楽しんでくれるのか?という、原点中の原点を掴むことが難しかったのが事実です。例えば、“あの曲をかければみんなが踊ってくれる”、とか。“今年は、この曲を自らのキラーチューン、アンセム、として鳴らせば、みんなに届くだろう”、とか。そういう試行錯誤しつつ、プレイしたのですが、自分の思うようにいかない場面が多々ありました。これは、自らの力の無さから来ることかも知れません。そう言ってしまえば、それで終わりなのかも知れません。けれど、それ以外にも、理由はあるなって。ひしひしと感じたわけです。

 先にも述べたように、時代は変わります。それは、ロックを聴く年代も移り変わっていくということです。さらに、ロックをDJとして楽しむ場が、基本的に日本の都心部のクラブやライブハウスでのオールナイトのイベントで培われてきたものが土壌になっているということ。それが、良き意味で巨大化して、今のようなジャパンフェスのDJ BOOTHが産まれたといっても過言では無いのです。それはそれで正しい道だったのかも知れませんが、このご時世。当たり前のように未成年はオールナイトで踊れない。さらに、成年であろうが、オールナイトのイベントを開催することすらもあらゆる規制で難しくなってきている。

 そう考えると、DJ BOOTHに来てくれたみんなの中には、あの場で如何に楽しめば良いのか?ということを初めてあの場に来て探っていた人も多かったんじゃないかな?とも思ったわけです。DJというものが、どういうもので、何をやって、それを観て、聴いて、どうすればいいのか。そういう音楽の楽しみ方を改めて知るべく場所となっていたのかも知れないって思ったのであります。でもね。そんな状況はぶっちゃけ今に始まったことでは無いわけで。今までのDJ BOOTHの歴史の過程の中で、DJも、音楽も、オーディエンスも、時代と共に新陳代謝を繰り返してきていたし。だからこそ、今でも沢山のみんなが楽しめる場所として成立しているわけですから、“何をいまさら…”と言われそうでもありますが。とにもかくにも、ここまであからさまに変化を感じたのは今年が初めてなんですよね。

 ロックとは、音楽とは、決して時代とは切り離せないものです。でも、その時代というものが、色んな意味で飽和している昨今。音楽シーンというものがあるようで無いような現状。故に音楽は多様化しているし。否、その一方では、韓流やアイドルがマジョリティとして受け容れられて肥大化しているし。その影響とは言いたくないけど、純粋たる音楽やロックの力が減っているし。堅いことを言えば、少子高齢化っていうのも関係してるんだろうなって思うし、ね。CDが売れないとか、色々云々。思うわけです。そんな、現状を、DJ BOOTHの上から音楽を鳴らして、目の当たりにしたと。言い過ぎかも知れないけれど、そんな感覚を、急激な変化として、今回は、あの場で、初めて、感じたのであります。

 長文失礼。

 だからといって、今年の3回のDJ、全てにおいて、白旗を挙げてしまったとか、お手上げ状態だったわけじゃないです。そんなことは絶対にありません。本当です。むしろ、その混乱と試行錯誤があったからこそ充実したDJをやれたと思っているくらいです。

 朝から幾度となく、プレイしながら、目の前にいるみんなを感じながら、自らの手で解き放つ音楽を選びながら、熱量がどうなるか予想しつつ、空間がどう広がるか感知しながら、やりきることはやりきったと思っています。

 このブログでここまで長々と語った理由がどうあれなんであれ、あの場にいたみんなと、あの場にいなかったみんな、色んなみんなに支えられたからこそ、乗り切れたし。実際、なんだかんだで、目の前に繰り広げられていた数々の歓喜の瞬間がたくさんあったからこそ、僕も楽しめたので。本当に僕は幸せ者だって思いました。

 結局、音楽がこの世にあるからこそ、ああいう場所が、こういう感情が沸いてくるっていうことなんです。すっごい極論、かつ、楽観的な発言をすれば、“音楽があれば無敵だ!”ってことだということなのかなって思いました。だからこそ、その無敵な音楽を、単なる薄っぺらい音楽にしてはけないなって。そう思ったのであります。そう思わせてくれたのが、今年のジャパンフェスでありました。感謝です。

 だからこそなおさら、音楽の在り方というものをひしひしと感じるフェスになったと。

 強引にまとめると、こういうことです(笑)。

 まあ、ここで書き記したこと全ては、僕の一方的な解釈でありますからして。一方的な発言でありますからして。単なる一人のDJが感じた、ちょっとした戯言、または、暴言?程度に思って貰うだけでも満足です(笑)。こんなことを最後に書いたら、本末転倒かもしれませんが、ね。そんな感じですよ。

 基本的に、ブログを書くときは、頭の中空っぽにして書いてますので。さらに、書き終えても読み直して修正とかもしないので、ほんと乱雑な文章になっていて、相変わらずの、あっち行ったりこっち行ったりの、中身が濃いようで薄いような、ただただ文章が長いだけのブログになっちまいましたけど、最後まで目を通して頂きありがとうございます。

 まあ、こんな小難しいDJ保坂でありますが、今後ともよろしくであります。でもって、もし今回のジャパンフェスでのDJ保坂の感想なんぞやを送って頂けるのであれば、そんな有り難き優しい方がいらっしゃいましたら、下記アドレス宛に宜しくお願いいたします。

  allisloveisall@gmail.com


 おわり。



 追記:
 そういえば、フェスに挑むブログにて、“終わったらみんなとハイタッチしたい!”って意気込んでいたけど、結局、終わった後は、例年以上に、疲労困憊で…。望みがが叶わなかったことを深くお詫びいたします…。実は、終わった瞬間に、“心の中ではハイタッチしていた!”、よ、ということで。どうか、お許し頂きたく存じます(笑)。






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