2011/12/08

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 06〜09



- 06 I Hate DISCOOOOOOO!!! / the telephones

 「やっぱ音楽は素晴らしい」のブリッジ。そのドラムフィルから突然、どすんとビートが落ちて、の、このトラック。しかし、言わずもがな、イントロが終われば、もうそこには彼等の専売特許とも言える、高速ビートの、ハイパーチューンが流れ出す。「Hate」という言葉が素晴らしい。好きも嫌いも表裏一体なのだから。そんな対なる感情さえも、愛というものは包み込み、僕らを混乱させて、興奮させるものだから。
 感情は言葉だけで揺るがされるものではない。ただひたすらに音楽に身を委ね、踊り明かしてこそ、全身に響き渡ることも必要だということを彼等は、常に聴き手に突き出すアーティストである。

- 07 半径30cmの中を知らない / アルカラ

 イントロ一発の衝撃度がやばい。the telephonesの昇竜するギターからの繋がりの衝撃度が強いトラック。音圧の高さ。L→R、R←Lに振られるギター音が鳴り響いた後のメロディラインと声色の透明度も、新人バンド離れした形相を魅せている。ブレイクに入って、テンポダウンして。どこで次なる楽曲にどう繋げ行くか。かなり試行錯誤したが、奇跡的なドラムフィルの複雑怪奇な繋ぎが可能になって、名曲へなだれ込む…。

- 08 VIBES BY VIBES / 10-FEET

 斉藤和義の楽曲もそうだが、どうあがいても逃れられない、2011年の出来事。「3.11」。それを体感した僕らは、何をすればいいのか。何が出来るのか。様々な場面で考えさせられることが多々あった。今の今でもそうだし、これから何年もずっとそのことは考えさせられ続けなければならない。
 そんな時に、心を鷲掴みにされる楽曲というものは、聴き手をアップリフトさせつづけ、生と死の喜びと悲しみを、一貫して伝え続けて来たアーティストなのである。それが、10-FEETであり、このトラックであり、彼らの存在意義なのだと改めて納得させられるのだ。

- 09 観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは / The Mirraz

 高速ビート。高速リリック。ひたすら世間に唾を吐きまくり、猪突猛進で走り続けてきた彼等が、ロックンロールの根本を見つめ直し、辿り着いた、ラブソング。そう、ロックンロールとはラブソングなのだということ。これは、世の中がどうあれこうあれ、僕と君の間に巻き起こる様々な感情が交錯することが、結果的に、世界を揺るがす視点をもたらすということ。世界を揺るがす音楽になるということの証明だ。
 孤独だ。なんて孤独なんだ。そんな哀しみが溢れた2011年に敢えて、軽快なロックンロールを鳴らす決意をした彼等の、ネクストステージに向けた、最高のラブソングである。
(続く…)


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