- 26 回想する/ 木箱
アルバムが終わりに近づくにつれて、タイトルが示す通り、「回想する」気分になる楽曲。昨今の音楽は、オーバー・ワークス、オーバー・プロデュースが多い楽曲が多い。そんな中、彼等の音楽は、音数が少ない。ということは、簡素なのか?チープなのか?と思うのだろうが、そんな簡略的な解釈では困る。音楽というのは、音が鳴っていない部分も含めて音楽なのだということを解って欲しい。その音の配置、並び、など。絶妙に構築されているからこそ、彼等の音楽はシンプルでありながらも奥深さを感じるのだ。故に、次なる楽曲への架け橋としてとても流麗に繋げることが可能に…。それも、ボーカルのブレスがポイントとなり、絶妙に繋げることが可能に…。
- 27 STROBOLIGHTS / スーパーカー
僕がDJを、主に邦楽を主体とした選曲でDJをプレイし始めた頃からの、私的究極のアンセム。“愛”という言葉が幾重にも連なり続ける歌詞。『ALL IS LOVE IS ALL』というタイトルにぴたりと当てはまる、リリックなのです。主にシングルバージョンをスピンすることが多かった時期もあったけど、このアルバムバージョンの方が、時代と共にしっくり来ているのです。深遠さ、穏やかさ、流れるようなメロディーラインがシングルよりも優る。そして、このBPMは、ハウスのビート、BPM128に寄り添うような流れでもあり、邦楽に限らず、四つ打ちのトラックに絶妙に繋げることが可能なのです。さらに、後半に向けて、ボーカルが高音域に抜けて行き、終焉を打つように、ビートが名残惜しく刻み続けられるところが、素晴らしく。次なる最後の楽曲と繋げるに、とても絶妙な効果をもたらしてくれています。
- 28 アルクアラウンド / サカナクション
最後にサカナクション。それも「アルクアラウンド」。意外に思われる人もいるかもしれないが、この楽曲を最後に繋ぎ込めたことで、『ALL IS LOVE IS ALL』というアルバムを、そのままリピートして聴いても、1曲目の「キャノンボール」になんの違和感もなく流れていくという。終わりなき螺旋状に響き渡る輪廻のようなアルバムにすることが可能になったのです。イントロをループさせて、「STROBOLIGHTS」のアウトロから繋ぎ込み、楽曲そのまま収録させて頂きました。
この楽曲で歌われる決意というものを最後に持って来たのも、いや、結果的に持って来れたのも、このアルバムを象徴するかのような事実になった。“この地で (終わらせる)(今始まる)意味を探し求め また歩き始める”…。この歌詞に込められたものが、このアルバムの最後に届けることで、『ALL IS LOVE IS ALL』という作品には、始まりも終わりも無いということを証明することになった。
故に、終わりにふさわしいと言えばふさわしい楽曲。でも、この曲から始まるアルバムと言えば、それにふさわしい楽曲であるのです。
(終わり)
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